せっかくインダスター 61 L/Z を手にいれたのに、画面全体をボカした星ボケを撮って満足したものの、そのうちに飽きてしまっていませんか。
そう。被写体にピントを合わせつつの星ボケ写真は意外と難しい。
初めのうちはこれでも感動していた。が、やっぱり何かにピントが欲しい。
なぜ星ボケ写真は意外と難しいのか
それはボカしたいのに関わらず、絞りをF5.6ちょいまで絞らなくてはいけないから。 (インダスター 61 L/Z の絞りはF5.6付近をピークに星型になる。)
当然だけれど絞るから被写界深度(ピントの合うエリア)が深く(広く)なってしまうので、被写体にピントを合わせると思うように星ボケが作れないのだ
それこそはっきりと、かなり近くの被写体にピントを合わせて、遠くの点光源、イルミネーションなどをボカさないといい感じの大きさの星ボケが写ってくれない。
そんなお悩みの方には、ご存知チルトシフト〜。
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チルトシフトとは
チルトシフトレンズまたはアオリレンズと呼ばれる類のレンズがある。
本来は建物や商品を『アオリ撮影』するためのレンズ。ミニチュア風・ジオラマ風にする撮影にも使われるレンズで、専用のレンズはうん十万円する。ちょっとした興味ではなかなか手が出せないレンズだ。
レンズ交換式のミラーレス一眼は、そのフランジバックの短さを活かして、マウントアダプターにチルトシフト機構があれば、それぞれのマウントのレンズでチルトシフト撮影ができる。
それぞれのマウント用にチルトシフト機構の付いたアダプターがある。チルトシフトとは2つの機能を指していて、インダスター 61 L/Z を万能星ボケレンズにするにはチルト機構だけあれば大丈夫。シフト機構はあってもいいけれど、ないアダプターの方が安い。
チルトはレンズに角度つける、シフトはレンズを水平にずらす。星ボケを簡単にするのは角度が付けれる方のチルト。チルトアダプターを手に入れれば星ボケ放題なのです。
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既製品もあるけれどチルト角が小さい。
チルトをどう使えば星ボケに?
通常の場合、レンズ面と平行にピントの合う面があります(下左図)。
チルトさせると、レンズを倒した方向のピント面が近くなり反対側が遠くなってレンズを倒した角度以上のピント面の傾きが生じます(下右図)。
この効果を利用すれば、パンフォーカス気味になる状況でも、右側にピントを合わせ左側をボカすなど、今まで不可能だった星ボケを楽しむことができます。
レンズを右にチルト(傾け)て街灯にピントを合わせ、左のイルミネーションをボカす。
普通にF5.6付近でこんな感じの景色を撮影した場合、ピントを合わせる対象とボカす対象にはっきりとした距離の差がないので星ボケは望めません。
しかしチルトを使えば景色でもどこかにピントを合わせてその他をボカす事ができます。
チルトでの星ボケは点光源さえあれば、ピントとボケが両立できて星ボケ撮影のチャンスが一気に広がります。最初はチルトの角度とフォーカスに慣れが必要ですが、「ピントのきた星ボケが撮れる!」という熱を持って撮影していれば段々とコツがわかってくると思います。
一番星ボケ向けなのは売っている既製品ではなく自作でチルトアダプターを作る!無謀のように思うかもしれませんが、既製品は角度があまりつけれないのです。せいぜい8°~12°程度のモノが多く、星ボケが小さめになります。
それ以上の角度がつく既製品があれば是非教えて欲しいほどです。導入したいので!