Flektogon 35mm F2.8 ツァイスのマクロもいける広角レンズ

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泣く子も黙るカールツァイス。カメラをある程度知る人の中で、知らない人はいないであろう、とても有名な光学機器メーカーだ。
僕もカメラを手にするかなり前、小学生の頃だったか、ソニーのビデオカメラ ハンディカムのレンズに『Zeiss』と名の入った物があったのを覚えている。記憶に残ったワケは、 CMだったとおもうが、意味深げにZeissのロゴを映していたからだ。それが「良いレンズを使ってるんだぞ〜」という印象になった。その記憶を持ったまま、どのくらい後だったか、店頭で『Zeiss』の文字を目にし、きっとすごいんだろうなと思っ た記憶がある。

そんな子供もなんとなく知ってたカールツァイス。
1846年 ドイツのイエナ(イェーナ)に当初は顕微鏡製造で業務を開始している。そこから世界最高水準の光学機器メーカーになっていったワケだ。
現在カールツァイス社はカメラ用レンズは製造しておらず、日本のコシナとソニーがライセンス製造している。
昔っからレンズはZeissとすり込まれた僕はツァイスレンズを使ってみたい!しかし高級品揃い。そんなワケでオールドレンズのZeissなら手に入れられる かもと、数あるオールドツァイスの中からどれにしようか楽しく悩み、決めて eBayや、ヤフオクを探して手に入れたレンズが Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.8 なのです。

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ここは迷わずF2.4ではなくF2.8 フレクトゴン!

35mmフレクトゴンにはアルミ製の初代、絞りリングとヘリコイドリングが縞々柄(通称ゼブラ)の2代目、現代レンズのような黒鏡胴の3代目だ。
初代と2代目がF2.8でシングルコーティング、3代目がF2.4でマルチコーティングになっている。ということは3代目が良さそうなのだが、私が手に入れたのは2代目ゼブラのフレクトゴンなのです。

fledtogon032代目Flektogonは1950年代後半から様々なメーカーから出された縞々のゼブラ柄

fledtogon02クラシックというか、個性的。よくぞ誕生してくれたと思えるデザインだ。

2代目のゼブラFlektogonに決めた大きな理由はこのデザインと最短撮影距離が一番短く18cmまで寄れるから。ちなみに初代が36cm、3代目が20cmだ。最短撮影距離は30cm以下になってくると 1cmでだいぶ違ってくる。
しかし、2代目ゼブラの接写時の開放絞りはF2.8にセットしていたとしても最短の18cmにヘリコイドリングを回していくにつれて絞りがF4まで絞られる仕組みになっている。その点 3代目はF2.4のまま最短撮影距離での撮影が可能。
これは好みの問題になってくる、小型でピカピカシルバーな初代、ゼブラ柄が粋で寄れる2代目、マルチコーティング化して明るい3代目。
私の場合は見た目にも現代のレンズには無いデザインのゼブラに魅了された。

Flektogon 35mm F2.8 Zebla の接写の性能とやらは!?

前置きとして、私が使用しているカメラはマイクロフォーサーズ機。なので焦点距離が2倍になり、Flekto35mmは35㍉換算で約70mmになり、接写性能も倍になる。
その最短撮影距離での結果がこれ。

flektogon04最短撮影距離:18cm ワーキングディスタンス:約7cm
最大撮影倍率は 0.7x 程度だろうか。

以前このブログで書いた『ヘリコイド付きマウントアダプターでオールドレンズをマクロレンズに』でも紹介したが、ヘリコイドアダプターとはマウントアダプターにヘリコイド機構が付いていて回すと伸びる。私の持っているヘリコイドアダプターは3cmほど繰り出せる。そうすると、とてつもなくマクロになる。
その結果が以下。

flektogon05最短撮影距離:約16cm ワーキングディスタンス:約2cm
最大撮影倍率は 2.2x くらいに見える。

結果のとおり凄く寄れるのだ。
フルサイズ機のほとんどのマクロレンズで最大撮影倍率 1.0x マクロに有利なマイクロフォーサーズ機でも2.0x なので、それらを超えた撮影倍率になった。
室内で撮影する方にとってワーキングディスタンスが短いものは重宝されそうなイメージがある。
ここまでの撮影倍率はいらないとしても、最短撮影距離18cmの通常使いで外へ出かけて、いざという時に「グイッ」と近寄って撮影できるレンズは使いやすい。

Flektogon 35mm F2.8 Zebra を持って出掛けてみる

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カール・ツァイス・イエナの広角レンズであるフレクトゴン。m4/3で使用すると、上述したように35㍉換算で70mmのいわゆる中望遠になる。これ一本で出かけるには少々画角に慣れが必要だが、以前星ボケで換算100mm一本を持ち歩いた時に比べれば楽なものだ。
以下は Flektogon 2.8/35 撮影サンプル。

flektogon001思い切りオオイヌノフグリに寄ってみた。
F2.8 絞り開放では光が柔らかく回り優しい写り。

flektogon002換算70mmなので料理の撮影に向いている。
18cmまで寄れるのもテーブルフォトでは大きな武器に。

flektogon003道端でカエルを見つけた、
体色変化して灰色になっているところをこっそり、できるだけ接写してみた。

flektogon004七夕飾りをした美ヶ原温泉の旅館
木々の緑と七夕飾りの色が鮮やかに写った。

flektogon005護国神社 F8で撮影
明暗差のある状況でもコントラスト高くシャープに写る。

本来ならば 35mmの焦点距離での撮影がフレクトゴンらしさが味わえるのだろうが、換算70mmも悪くない。
機会があれば通常の焦点距離を試してみようと思う。