今回はドラマチックトーンの説明です。やっと今まで温めてきたドラマチックトーンが書けると思いきや、このタイミングで新事実がわかり、まとめるのに苦労しそうなアートフィルターです。
フィクションのような、実際には目にする事のないような、まさにドラマチックな一枚になるフィルターです。
※基本的なアートフィルターの使いかたは『アートフィルターを使用した撮影 始める編』を参照。
もくじ
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ドラマチックトーン それは高彩度銀残し
ドラマチックトーンで雲や建造物を入れた写真を撮ると簡単にその効果が見て取れます。その効果は奥深く、未だに使用後の効果に驚くこともあります。
個人的なイメージとしては彩度の高い『銀残し』のようなフィルターという印象です。銀残しとはフィルム写真の現像方法のひとつで、暗部が強調されコントラストが高く、そして、彩度が低く渋い色合いになる手法で、現在のデジタルカメラにも銀残しという名の加工フィルター機能があるものもあります。
ドラマチックトーンはそれに似た加工フィルターで、彩度が低くならない銀残しの様なアートフィルター…
以下は効果の比較
この様な効果で、ドラマチックトーンは高彩度の銀残しだと思っていました。が、その限りではない効果が見て取れる場面もあったのです。
暗く高コントラストになるだけではなく劇的に明るくなる場面も
明るい場面・写真にドラマチックトーンを使用すると明暗差のある、どこか切り絵のような高コントラストな仕上がりになります。そこを試しに露出を間違ってかなり暗くなってしまった写真があり、RAW保存したものだったので、ふと、後からドラマチックトーンをかけてみたところ、何の意図もない暗い写真が劇的に明るくなったのです。
この効果はアートフィルターのライトトーンよりも顕著。ライトトーンがナチュラルな控えめライティング。に対してドラマチックトーンは被写体にバリッとライティングした感じでしょうか。
さらに右下の写真は、ドラマチックトーンを適用した後に少し露出をマイナス補正をしました。するとピントを合わせた被写体の新芽まわりがふわっと明るくなったりと、思いがけない効果がありました。
ドラマチックトーンを使って銀残し
当初、ドラマチックトーンの個人的な使用感だった高彩度銀残し。結果的に一概にそうとは言えない効果があり、高彩度銀残しというイメージの枠には収まりきりませんでした、しかし銀残し的な要素があるのも確か。そこで、ドラマチックトーンを使って銀残し風に仕上げてみたいと思います。
やり方は簡単。RAWで撮影したものにドラマチックトーンを適用して、彩度を下げたり、露出をプラス補正したりして彩度を下げます。
以下効果の比較
ドラマチックトーンその他の作例
ドラマチックトーンには2タイプあり、カラーのドラマチックトーン1とモノクロのドラマチックトーン2がある。
ドラマチックトーン2はモノクロ用の階調調整や適正化したもので、カラーと同様の効果のあるモノクロ版。
※クリックで拡大
ドラマチックトーンまとめ
現実離れした雰囲気にガラッと変化するドラマッチクトーン。一見やりすぎ感のあるアートフィルターですが、その実は様々な効果が期待できる奥の深いフィルターでした。HDRのような効果とも言われていますが、暗部が明るくなるような効果は言い得てるところでしょう。
使用すると雲がすごいことになるので、雲を構図に入れたくなりますが、質感・素材感が強調されるところが良いアートフィルターだと思うので雲の変化をひとしきり楽しんだら、木や石、色々な素材を撮ってみるのが面白いと思います。そこから彩度を調整して楽しんだりするのが私のオススメです。
(彩度の調整はRAWで撮影後にOLYMPUS Viewer3 等で行えます)